日本を代表する川魚である『鮎』
塩焼きは言わずもがな、酢醤油漬けやフライ、甘露煮や一夜干し。クセのない食材ゆえに、さまざまな調理法があります。
「鮎の塩焼きは美味しい。」
もはや日本人にとって、当たり前に近いほど周知の事実です。
では皆さん、その鮎を『どうやって釣るのか』をご存知ですか?
おそらく、ほとんどの方は知らないのではないでしょうか。
我が学園のある岐阜県郡上市でさえ、ちゃんと知っている人はとても少ないのです。
皆さん、自分で釣った天然の鮎を塩焼きにして食べてみたくないですか?
今回はそんな「鮎、どうやって釣るの?」を、世界で一番簡単に説明します!
これだけ見れば、あなたも今日から鮎マスターです!
それではいってみましょう!!
それでは一体どうやって鮎は釣れるのか。
一般的な魚釣りは『えさ』『ルアー』を用いて、対象の魚がそれを『食べる』事で、口にハリがかかり魚が釣れるワケです。ここまではわかるはずです。
では、鮎の代表的な釣り方『鮎友釣り(あゆともづり)』は、どちらになるのか。
答えは…『どちらでもない』
鮎友釣りは『生きた鮎を使って、野生の鮎を釣る』のです。
皆さんの頭の中が「???」でいっぱいだと思いますが、大丈夫です。私も最初は同じでしたし、すぐに理解できるはずです。
川の中には石があります。
その石に、光合成によって『コケ』が生えます。
鮎はそのコケを主食にして、川の中で生活をしています。
小学生の頃、みなさんにはこんな記憶がないでしょうか。
学校から帰って、リビングのテーブルに置いてあるお菓子。兄弟に取られまいと、所有権を主張します。
そんな主張もむなしく、兄弟はあなたのお菓子を奪いに向かってきます。
あなたは当然、兄弟にお菓子を取られまいと、抵抗し追い払おうとするはず。
兄弟仲良くシェアするだなんてもってのほか。
「俺が最初に見つけたこの“オアシス”を、あとから来たお前なんぞに1コケたりとも渡さんぞ!」
そして自分の存在価値をかけた戦いの火蓋が切って落とされます。
それなんです。
鮎友釣りは、それと同じ原理なのです!!
石にできた美味しいコケを独占するために縄張りを持ち、体に仕掛けと針をつけた『おとり鮎』を、その縄張りに侵入させて、『針にひっかける』釣りなのです!
川で鮎釣りをしている人を見て、鮎が2尾ついているから「わあ!2尾釣れてる!」と驚いている方がよく見えますが、実は上の鮎はおとり鮎だったのです!!ビックリしましたか?私も最初はビックリしました。
『針をくわせるのではなく、体にひっかける』この釣り方は、世界でも非常に珍しい釣り方です。
もう少しくわしく知りたい方のために、これらを動画にまとめた動画を掲載しておきます。
この動画は、選手権の事前講習会や、地域の小中学校で鮎釣りを教える際に使っている動画です。小学生でも理解できる内容ですので、どなたでも理解しやすい内容になっているはずです。
一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、実際にやってみると、驚くほど簡単です。
理屈さえしっかりと覚えれば、誰でも必ず一匹は釣ることができます。(当学園の理事長は過去数百回、未経験者に鮎釣りを教えましたが、釣れなかったのは“一度だけ”です。)
それでいて、とことんまで奥が深い釣りでもあります。おそらく全てを極めた人は、まだ存在していないのではないでしょうか。
また、竿に鮎が掛かった瞬間の振動は『稲妻が走る』とも言われています。
そして何より、自分で釣り上げた天然の鮎を塩焼きで食べた時の感動は、皆さんの想像を絶対に上回るはずです。はい、絶対です。保証します。
今年の夏は、鮎友釣りやってみませんか?
主催 郡上鮎の会